「弱酸性次亜水」の安全性について

 

三重大学大学院 生物資源学研究科 福崎智司教授の資料から抜粋

 

 

<次亜塩素酸水の呼称について>

一般に「次亜塩素酸水」は電気分解、二液混合、粉末・タブレット溶解が混在し化学成分、液性が同一ではないとの問題が浮きぼりになっています。メーカーは性状や取扱い方法を「製品安全シート」として明示する必要があります。

当製品は二液混合式で、混同を避けるため「次亜塩素酸水」と呼ぶことは避け、弱酸性次亜塩素酸水溶液(弱酸性次亜水)と呼称することが適当です。

 

<空間除菌の本質:空間よりも固体表面を制御すること>

室内空間において微生物は空間浮遊よりも固体表面、特に壁とか床面に多く存在します。超音波噴霧器による弱酸性次亜塩素酸水溶液(弱酸性次亜水)の噴霧の目的は、極々低濃度で時間をかけて表面付着菌を制御することです。噴霧された微細粒子は空間中で揮発現象をともなって急速に微細化が進み、やがて気体状次亜塩素酸となって拡散、重力によって下方に沈降後床面などの汚れとの反応で消費されます。

 

<気体状次亜塩素酸の安全性>

人体に対して何らかの作用を示す化学物質に対して、日本産業衛生学会は作業環境における「許容濃度」(18時間、週間40時間程度暴露されても健康上の悪い影響が見られないと判断される濃度)を定めています。現在、次亜塩素酸については定められていませんが、同じ有効塩素である塩素は0.5ppm(mg/L)と定められています。この基準を参考とするならば、空間噴霧をしたときの空間中の気体状の次亜塩素酸の濃度が、0.5ppm(vv)未満であれば一定の安全性は守られていると判断できます。

以下に実験データを表示します。

 

 

 実験条件

●超音波噴霧器:MX-200 (株式会社星光技研)

●充填水:(1)弱酸性次亜水(純水、次亜塩素酸ナトリウム、塩素で調整) 液性:ph5.8、有効塩素濃度:50ppm

       (2)水道水(三重大学生物資源学部棟7階) 液性:ph7.4、有効塩素濃度:0.4ppm

●設置条件:室内約80㎥の中央テーブル・高さ70cmの位置に設置、閉扉、エアコンオフ、無人

●稼働条件:霧化量「中」の連続運転

●塩素ガス検知器:XPS-7(新コスモス電機) ※検出限界濃度:0.002ppm

 

塩素濃度(=HOCl()))の測定結果


弱酸性次亜水の超音波霧化粒子は重力によって下方に沈降します。その結果、霧化粒子から揮発した気体状KOCl(の濃度は床面に近いほど濃度が高く、天井に向かうほど低くなります。人が日常的に活動する空間を想定すると、起立姿勢および着座姿勢における顔の位置の濃度は0.002ppmと極めて低い濃度であり、人体の呼吸器に影響を及ぼす濃度ではないと推定されます。